9月9日~10日 万葉苑便り

2019年9月11日

9月9日(月)

 今日は広島県府中市上下町の万葉集研究団体有志の方々25名が、愛媛万葉苑の視察に来苑されました。代表の馬場清さんから予め連絡を頂いておりましたので、お迎えして苑内を案内いたしました。

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 幸い昨日発見した「ナンバンキセル」を紹介し、白い実を結んでいる「ムラサキ」や「ジュンサイ」を見て頂きました。「にぎたつ碑」の前では一同揃って記念撮影もありました。

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 案内の途中いろいろの方からお話を伺いましたが、バスの車中でいろいろ勉強会をされて来られたようで皆さんの博識に感心しました。中でも水上さんは万葉植物の実物見本を持参されており、また別に「ムラサキ」に詳しい方もおられ恐れいりました。
 水上さんの見本「ひし」は苑にありませんので私宅の水槽に挿し木しましたので楽しみです。ともかくも久しぶりに楽しいひと時を過ごしました。
 たまたま松山百店会発行の「松山百点」の今月号に愛媛ゆかりの万葉歌特集があり、隣接の一草庵の記事もありましたので、急遽手配して各人にお配りできました。上下町には「カタクリ」の集団自生地もあるとか、これからの交流を楽しみにしております。

9月10日(月)

 この日は愛媛県遺族会・英霊に応える会共催の「青年部・婦人部合同研修会」が開催され、講師として「万葉集と新元号令和」について話させて頂きました。内容は ①愛媛万葉園の由来 ②元号とは ③改元について ④出典万葉集について ⑤令和について などでした。200名余りの熱心な会員に気圧されながら、なんとか責任を果たしました。いつもながら準備に欲張り過ぎて消化不良気味でしたが、新元号のお蔭で万葉苑や万葉集も世に出て良い機会に恵まれました。

(藤原)

7月 万葉苑便り

2019年7月14日

7月14日 (日) は梅雨の最中の奉仕日でしたが、案の定昨日からの雨模様。
この日、市民大清掃日と重なっていましたが共に中止となりました。

この日予定していたミニ講座の題目は

 「ぬばたまの 黒髪山のやますげに 小雨降りしき しくしく思ほゆ」

   柿本人麻呂歌集 (巻11~2456)

「ヤマスゲ」は一名「リュウノヒゲ」 その実は濃い碧色でビードロと言って女の子が持ち遊び、男の子は竹鉄砲の弾にして遊んだ。
歌は「黒髪山の山菅に、しきりに小雨が降り続いている。あの降りしく小雨さながらに、私はあの人のことを想っている」と。

この五月、新年号「令和」が決定しました。国書の万葉集からの出典という事で話題になり、万葉苑では下記のような説明札を立てました。

新元号「令和」に決まりました。(新元号は二四八番目の元号です)
平成三十一年四月一日、政府は新しい元号を「令和」と決定しました。
「令和」の出典は「万葉集」から引用されました。
元号の出典が日本の書物(国書)となったのは初めてです。
出展となった万葉集の巻五「梅の花の歌三十二首」の序文には、

 初春令月、気淑風和、梅鏡前粉披、蘭珮後香薫

とあります。

読み:初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き、
 蘭は珮後の香を薫す。 (大宰府師 大伴 旅人作)
意味:初春のよい月です、空気はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が
 装う白粉のように開き、蘭は身を飾った香のように薫っています。

新しい時代が希望と喜びに満ちた良い時代でありますよう願っております。

 平成三十一年四月一日  愛媛万葉苑保存会

愛媛万葉苑 新看板

新元号 令和

(文責:藤原)

令和元年 第53回愛媛万葉祭

2019年5月13日

令和元年の第53回愛媛万葉祭が終わりました。
去る5月5日午前11時から、凡そ80名の参加者を迎えて、令和時代初の「第53回愛媛万葉祭」が盛大に催されました。当日は新緑の滴るような五月晴れの好天気に恵まれました。

始めに護国神社拝殿で額田照彦宮司により神事が催行された後、例年通り清吟道吟友会の(吟詠)宇都宮清克さんと(尺八献奏)元岡清專さん、紫雲館吾妻流安東翆玲さんの舞「額田王」、古武道「神道夢想流杖術」が、愛媛杖の会(打ち太刀)錬士六段藤田和男さん、(仕杖)錬士四段一色剛志さんにより、それぞれ荘重・華麗に奉納されました。

第53回愛媛万葉祭
第53回愛媛万葉祭

続いて新装なった御幸殿で、記念講演会と直会が始まりました。
始めに土居会長から主催者挨拶の後、来賓代表森高康行県議の祝辞を頂きました。ついで元陸上自衛隊東部・西部方面総監、現愛媛偕行石鉄会長の重松恵三夫先生から「我が国最近の防衛情勢について」と題された講話を頂きました。この日の前日には北朝鮮による複数の「飛翔体」を日本海に向け発射するなど緊迫した情勢下、「日本の対応策」では現行憲法の下では何もできない。早急な憲法改正と、平和安全法制の整備が必要たと、非常に有益なご講演を頂きました。

第53回愛媛万葉祭
第53回愛媛万葉祭
第53回愛媛万葉祭

そのあとは、参加者揃っての直会・懇親会に移り、優雅なひと時を過ごすことができました。

(愛媛万葉苑保存会常任理事 藤原茂)